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『三浦安針と浦賀』
「日本とイギリスとの友好は１６００年のウイリアム・アダムス以来からであると言われた。」 |
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＊今日はウイリアム・アダムス（三浦安針）について話してみたいと思います。 |
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＊ウイリアム・アダムスについて皆さんはどの程度ご存知でしょうか。塚山公園に墓がある。 |
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家康と関係があったとかはご存知だと思います。 |
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＊家康とは特に深い関係があり、家康が幕府を開く前の１６００年にアダムスがリーフデ号で |
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豊後（大分県）に漂着し、その年の５月に大阪で家康に会ったのが最初です。 |
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＊リーフデ号の積載品は大阪で殆ど売ってしまったが、家康はリーフデ号に興味を持ち船本体を |
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大切にしようと思ったので浦賀に回航させました。 |
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リーフデ号は浦賀へ回航の途中嵐に遭い浦賀に着いた時には搭載物等はバラバラになり |
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使い物にならなかった。アダムス自身は陸路浦賀に到着した。 |
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＊家康にとって船になぜ関心があったのか。それは外国貿易への関心です。 |
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＊アダムスに会う１０年前に、家康は秀吉より関八州を自分の領地として貰った。 |
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北条は貿易関係は得意でなかったので、家康は貿易政策に力を入れイスパニア（メキシコ）や |
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フィリピン（ルソン島）のスペイン系統に手紙を出し通商を呼びかけていた。 |
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＊欲しかった商船リーフデ号は嵐で破損してしまったが、ウイリアム・アダムスは家康の貿易政策に対する |
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顧問の役割を果たして行くことになった。 |
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＊浦賀の港を貿易港と指定し貿易顧問を置くことが出来たことにより、スペイン及びイスパニアから |
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沢山の返事が来た。 |
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＊その内に、宗教上の問題が発生した。イスパニアやポルトガルはカソリックでアダムスはプロテスタントであり、 |
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カソリックとプロテスタントでは歯車が合わないため、アダムスが居るんでは浦賀へ行かないという話になった。 |
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アダムスを改宗させる試みを幕府の要人が行ったが、全て失敗した。 |
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＊しかし、アダムスは将来イギリスに帰れる希望を持ちながら、外交顧問としての勤めに精励した。 |
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＊この様な状況の中で、浦賀にカソリック教会が出来た。場所は明確でないが |
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現在の東叶神社近くであったようだ。 |
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＊ルソンからは沢山のイスパニアフィリピン船が来て更紗の織物とかガラス製品等が直接取引された。 |
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長崎、平戸や堺の港に入ると特権商人が港を押さえていたので、入る商品が既に問屋の扱いになってしまい |
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問屋を通らないと消費者の手に入らなかったが、浦賀の場合は直接商品を売買出来るため |
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マーケットとしては良い場所だった。 |
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＊１６０７〜１６１３年までの６〜７年間に可成りの外国船が浦賀に入港したことが解っている。 |
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これらの船の世話を全部アダムスがした。 |
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＊アダムスの本心はイギリス船にも来て欲しかったので、本人自身でイギリスに手紙を出し、 |
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現実にイギリス船も来た。 |
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イギリス船の船長セイリスはカソリックであろうとプロテスタントであろうと媚びへつらっている |
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アダムスの態度をみて、あいつはイギリス人の魂の抜けた奴だと憤慨する。 |
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セイリスは、イギリスはアダムスが居るので浦賀で貿易をすることに不安を持つようになった、と書き残している。 |
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＊１６１６年に家康が亡くなって、その後鎖国制度に入って行くので、浦賀の貿易港としての役目は終わり、 |
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成功は無かったように思われる。 |
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＊一方江戸は作物が何も獲れないところだった。全て船によって江戸に運ばれて来た。 |
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江戸に運ばれてくる荷物を下り物と言う。 |
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京都へが上がり物だったので京都を離れて行く物は下り物だった。 |
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江戸へ持って行けば売れる物が下り物だった。 |
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＊何処を通るか。東京湾の一番狭い観音崎と富津岬の間を通過する必要がある。 |
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入り口の浦賀が外国貿易港であり、もし浦賀が外国人に占拠された場合下り荷物は一つも江戸に入らない。 |
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江戸はたちまち干上がってしまう。 |
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因みに、品物を江戸に持って行って商売になる物は下り物、江戸に持って行っても商売にならない物を |
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「下らない」と言った。 |
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＊家康没後は浦賀を外国貿易港として存続させるのは幕府として危険なので貿易港は中止となった。 |
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従って、アダムスの本拠地も逸見から平戸へ移された。 |
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＊ウイリアム・アダムスは逸見に領地を貰っていた。 |
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何故浦賀でなく逸見なのか。浦賀に領地を与えたら全権はアダムスにあり、 |
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幕府にとって危険なことになるので、逸見に領地を与え浦賀に通わせることにしていた。 |
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＊アダムスは日本人の妻と二人の子供（息子と娘）、妻の妹夫婦と住んでいたのは |
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船長セイリスの日記により解っているが、妻についてはどの様な人物かは不明です。 |
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＊アダムスは鎖国後はどの様に扱われたのでしょうか。約２００年後の記録が、今日お配りしたコピーです。 |
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＊これによれば、一つは三浦故人録で、唐人とされており、ヨーロッパ人とは書かれていない。 |
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他の一つは相模の国風土記考で２００年経過したら、朝鮮の人になってしまっている。 |
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２００年は歴史をこんな風に変えてしまうのです。 |
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＊明治３７〜３８年は日露戦争で日本が勝利しました。これはイギリスが日本の後押しをして |
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日本を勝利に導きました。 |
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イギリスは戦争をしなかったお陰で世界の大国としての地位を保てたのです。 |
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＊日露戦争時代の日本とイギリスの友好関係は良好だったので、 |
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友好は１６００年のウイリアム・アダムス以来からであると言われた。 |
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＊塚山公園は日本に居たイギリス人達がボランティアで作った公園です。 |
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＊２００年前の歴史を知り、三浦安針を中心において考えると、日本とイギリスの結びつきの歴史も解って来るし、 |
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２００年前の人達よりも私達の方がずっと当時の真実を知っているとも言えます。 |
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