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第1789回例会週報 | |
2016年4月11日(月) | |
■合唱 | 「我等の生業」 |
■ゲスト | ||
なし | ||
■ビジター | ||
なし |
■会長報告 | * |
■幹事報告 | *横須賀北クラブより、5月の例会案内及び週報受領。 |
*ガバナー月信(4月号)受領。 |
会員(内免除会員) | 出席 | 免除会員の出席 | 本日の出席率 | 前週メークアップ前 | 前週メークアップ後 |
17名(10名) | 14名 | 9名 | 87.50% | 80.00% |
80.00% |
■メークアップされた会員 | |
第一グループIM→森、大橋、西田、菅原、新中、平野、赤木、長瀬会員 |
前日計 |
434,378円 | 本日計 | 16,000円 | 累計 | 450,378円 |
■ 「盲導犬の里富士ハーネス見学と親睦旅行」 |
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平成28年5月12日(木) 津久井浜6:50→浦賀渡船7:10→北久里浜7:30→横々・東名道(8:30海老名休憩8:45)・新東名道→新富士IC→R139→10:45盲導犬の里富士ハーネス(見学)11:45→東名道・富士IC→裾野IC→13:00時之栖(レストランバイキング麦畑)昼食14:20→東名・裾野IC→御殿場IC→五湖道路・中央道→甲府昭和IC→湯村温泉常盤ホテル(宿泊)
平成28年5月13日(金) |
■卓話「交換留学生のホームスティを受け入れて」 新中宗光会員 |
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フランスからの留学生であるモロ・クラウジアさんが去年の8月22日に来日して早くも8ヶ月が経とうとしています。 最初はホストファミリーをご経験済みの永井さんのお宅でお引き受けになり、永井さんご夫妻から日本での生活の基盤をしっかり身に付け、11月から我が家にて生活をしてもらっています。 委員会からは特別な扱いをせず、生活形態もそのままで、自分の子供同様に接して欲しいと言われておりましたが、それは無理な話で、私たちはガチガチに緊張してしまい、ホストファミリーとしての心得・ルールを学ぶ所からのスタートでした。 特別扱いをしてはいけないと言われても、やはりお客さんをお迎えする気持ちになってしまうのは仕方ありません。 大切なお子様、それも身近にいる親戚や知り合いの子供を預かるのとは違って、ロータリー・クラブという組織を通じての引き受けであり、遠く見知らぬ外国に出す親御さんの気持ちを思えば責任の重さを意識してしまうのは当然のことです。 心の準備が出来、次は家に迎え入れる準備です。 ここで幸か不幸か、大学入学と同時に家を離れ、また、卒業後も横須賀には戻ってこない予定だった息子が、就職が決まるまで取り敢えず家に戻ってくる事になり、二人を同時に迎えることになってしまったから、さあ大変。 家を離れたと同時に解体してしまっていた息子の部屋を改めて整え、そしてクラウジアの部屋は新しく作らなくてはなりません。 年末の大掃除を遥かに超えた大掃除から始まって、次に部屋作り。息子の部屋はベッドと机だけあれば良いだろうとバッサ!バッサ!と置いて、ハイ!完了。彼女のためには我が家では一番広く、陽当たりも最高の部屋を彼女の個室として使ってもらうことに決めました。 男の子しか育てたことがない私たちは家具の配置や配色を考えたり、高校生だから可愛い部屋が良いだろう、そしてホームシックにならないように落ち着いて過ごせる部屋をといろいろイメージしながら少し ずつ、そして丁寧に作っていきました。 その部屋の模様替えの結果、わたしは従来から使っていた部屋にいろんな物が運ばれてきて、半分、倉庫のようになってしまい、家内の部屋は就寝中に地震が来たら、知らぬ間に家具の下敷きになってしまうのではないかと思うほど四方を家具に囲まれた場所が家内の寝床。 その上、家内の寝床は雨の日の洗濯物の干場でもあり、完全に乾ききってないときは、それらの洗濯物に囲まれたまま寝ることにもなります。しかし、そういう状況になっても、何故か私たちは段々楽しくなり、浮き浮きと迎え入れる準備を進めていきました。 ところが、実際我が家に来て分かったことですが、彼女は女の子というよりは男の子に近いボーイッシュな子で、性格もサバサバしていて精神的にも強く、逞しい子でした。 女の子が喜ぶだろうと思って置いたりした小物は今や邪魔になっているかも知れません。壁に掛けてあげたメルヘンチックな絵画もいつの間にか取り外されており、代わりに壁一面にフランスの国旗が誇り高く掲げられています。それはそれで感心し、日頃はあまり意識していな い国旗というものに対しては改めて考えさせられる機会にもなりました。 『暗い夜道を一人で歩いてはいけないよ』と忠告すると、『大丈夫!変な人が寄って来たら柔道の技で投げ飛ばす!』と腕こぶしを見せながら平然と答え、お化け屋敷に行ってみようという話になった時も、息子が『怖いから、そういう所には行かない』と言うと、『大丈夫。私が守ってあげる。』と何とも頼もしい言葉。 イメージしていた女の子とはかけ離れていて、すっかり肩透かしを食らってしまいましたが、そういう彼女の天真爛漫な性格にも助けられ、何だか予想外の楽しい毎日になってしまいました。 そんなこんなで我が家での生活が始まった訳ですが、そんな彼女が真夜中にお腹に激痛を起こしてしまい、一晩中眠れず、苦しんだこともありました。我が家に来て4日目のことです。遠慮があったのでしょう。私たちに声を掛けることはせず、カウンセラーである宮本さんにメールでSOSを発信したようで、ご心配をお掛けしてしまいました。 明け方、トイレで鉢合わせしたわたしに訴えてきて初めて状況を知り、開院と同時にクリニックに飛んで行きましたが、診察の結果は食べ過ぎによる胃炎と診断され、『ごめんなさい』と自分の胃に向かって謝っていました。彼女は否定していましたが、やはりそこは永井さんのお宅から我が家に移ったことで、環境が変わり、多少のストレスもあったのではないかと思われます。 その胃炎も落ち着いた頃、今度は彼女の自国でのテロ事件です。 家族や知り合いに被害がなかったことで一安心し、『私は大丈夫!元気!』と平気を装っていましたが、やはり心の傷は深く、常にネットで状況を検索する日々が続きました。 しばらくの間は心が晴れることはなかったと思いますが、しかし、彼女は『いつもと変わらず、平常心で生活することがテロに立ち向かう姿勢になる』と力強く語り、フランスは他国からの侵略や、又、侵略してきた歴史を持つヨーロッパの国々の一つであることも認識させられました。 クラウジア自身が垣間見せる強い意志表示も、長い歴史の中で培わ れてきた国民性かもしれません。 そのテロも落ち着き、ショックからも少しずつ抜け出して、本来の彼女の明るさも戻り、家族とも徐々に打ち解けていきました。 私たちホストファミリーに課せられた役目は、日本の文化を一つ でも多く教え、目に触れさせ、たくさんの人たちと交流してもらって日本の良いところをたくさん知ってもらう事だと思っていますので、 ロータリーのイベントに出席することは勿論のこと、地域のイベントにもなるべく参加させるようにしています。彼女も快くお手伝いを引き受け、様々な人との交流を楽しんでくれます。 又、日本の名所と言われる場所や彼女が希望する所にも時間が許す限り連れて行くようにしています。 秋の紅葉めぐりを兼ねての皇居内散策。冬の名物である各地のイルミネーション見学。着物を着ての神社への初詣。餅つき大会。長野の地獄谷温泉(猿の温泉)見学。九州旅行。そして、富士急ハイランドでの絶叫マシーンやウインド・サーフィンの体験など、時間が許す限り、様々な場所に足を運ぶようにしています。 学校の休みと我々の仕事の合間を縫っての行程ですので、どうしても強行軍になってしまいますが、それなりに楽しんでもらっていると思います。 そして、留学生の集まりであるオリエンテーションやローテックスの集まりで知り合った各国の同年代の友達とも交流が盛んで、月に1〜2度は東京や横浜などで集合し、情報を寄せ集めていろんな所を散策しているようです。 彼女は日本の食べ物が大好きで食いしん坊です。そんな彼女の為に家内は数十年ぶりに料理の本を引っ張り出してきて奮闘したり、色んなお店にも連れて行くようにしています。 しかし、日本に来てから体重が5kgも増えてしまい、久しぶりに会った人には必ず『太ったね。』と言われるのを本気で気にし始め、今はダイエットに励んでいます。 家内にも『おかあさん、お願いだから少しだけにして』と皿に盛る量を減らしてくれと真剣に懇願しています。 出されたものは残してはいけないと思っていて、味の好みに関わら ず、全部食べてしまうからです。きちんとしつけをされているんだなぁと感心してしまいますが、日本の食事は太ると言われている炭水化物を含むものが多く、特に我が家は炭水化物大好き家族ですので、結果、彼女を太らせる原因になったのかもしれません。 そうは言いながら、飲み物は甘いジュースが大好きで、毎日好んで飲みますから何とも言えませんが。 又、我が家に来て最初から気になっていたのは、深夜、フランスの 友人たちとコンタクトを取ることです。日本との時差が8時間あり、フランスの友人たちと交流出来るのは日本の深夜です。今は携帯電話という便利な機器があるために便利にはなりましたが、又それは困った状況も引き出してしまいます。 学校があるのに、朝眠そうな顔をして起きてくるのです。夜は楽しくお喋りをして『お休みなさ〜い!』と元気に部屋に戻るのですが、朝 は別人になっているのです。 『お・は・よ・う・・・』と声のトーンが3段階位低く、話しかけても無表情で、返事をするのも辛そう。どう見ても睡眠不足です。 ジキルとハイドの誕生です。 学校を休みたそうに『頭が痛い』と訴えてくることもありましたが、家内が頭痛薬を出してきて飲ませ、『時間だよ。電車に乗り遅れちゃうよ。』と普段通りに急き立てると、夢遊病者のようにふらふらしながら出て行きますが、学校が終わって帰宅したときは『ただいま〜』と、とても元気なのです。 甘えはこの家では通用しないと悟ったのか、それとも自己管理が出来るようになったのか、今はそんなジキルとハイドの生活もなくなりました。 フランスでは徒歩2分の所に学校があり、それでも朝出勤するお父さんの車で送ってもらっていたようです。 我が家からの通学は、最寄りの野比駅まで徒歩10分。北久里浜駅まで5分。そして学校まで徒歩15分。掛かる時間が約30分で、日本 では大歓迎の範囲なのですが、彼女にしてみれば遥か彼方に感じるか もしれません。しかし、それは同時に心身の鍛錬になると思っていますし、これが ザ・ジャパン です。 最近改めて分かったことの一つは、彼女はお喋りタイムが大好きです。誰とでもすぐに打ち解け、お喋りを始めると時間を忘れて止まらなくなってしまいます。議論も好きなようです。どんな形にせよ人とコミュニケーションを取っているときは本当に楽しそうです。 一番面白いのは、わたしが吹っ掛けるフランス対日本のバトルです。我が家で初めて食卓に出す物や、テレビの情報番組に出てくる物など『これフランスにある?』と問いかけると、すかさず『ある!フランスにもある!』と剝きになって返してきます。 『フランスには何でもある!』 『これはメイド・イン・フランス!』 と、その度に返ってくる返答が面白く、先日も、この時期とても綺麗に咲いているチューリップの話を振ると、 『フランスにもチューリップがあった。一年間フランスに留学したら チューリップがあってびっくりした。』 そして、とうとう『もう、諦めた』と言い出し、 先日、電化製品の話を振ると 『日本はすごい。電化製品がいっぱいある。フランスは何もない。電気もないから、石で火を起こして灯りにし、食べ物を売っているお店もないから自分たちで猟をし、包丁もないから手でちぎって食べ、洋服もないから葉っぱを洋服の代わりにする。アフリカのジャングルの中に住んでいる人たちと同じ。』 と、すっかり疲れてしまったようです。 そんな彼女に3月には飛び切り幸せなひとときがありました。2週間の予定でご両親が訪日されたのです。訪日が決まってからは、毎日カレンダーを見ながら指折り数えて待っている様子で、空港で出迎えた時、両親の姿が見えた途端飛びついていき、嬉しさの余り泣きながら何度も何度も熱い抱擁を交わしていました。 しっかりしているようで、まだまだ子供なんだなと思った瞬間でした。 ロータリー・クラブの配慮により、2週間はずっと両親と一緒に過ご すことが許され、東京・京都・大阪と観光旅行にも行って来たようです。 又、横須賀に於いての歓迎会も、皆様に会えたことにお二人はとても感謝されていました。 大切な娘がたくさんの良い人たちに囲まれて元気に暮らしている姿や、日本という国をご自分たちの目で確かめることも出来、安心して帰国された事と思います。 クラウジアは『私にはお父さんとお母さんが3人ずつ居る。フランスのお父さんお母さん、永井のお父さんお母さん、そして新中のお父さんお母さん』と、なかなか憎いことを言ってくれます。 そういう彼女の思いを大切にしたいという事もあって、月に一度は 永井さん達と会食の場を設け、交流を続けています。 又、湘南学院に通えたことは彼女にとってとても幸運だったと思 います。長瀬さんを初めとして先生方は最善の環境を作って迎え入れてくれています。 特別枠として、週に5時間の日本語レッスンのカリキュラムもあり、 みるみる日本語が上達して行ったのは皆さまご存知の通りです。今や ヒヤリングに関しては80%位は理解出来ているようです。 帰国するまでには完璧に覚えたいと掲げていた目標に一歩ずつ近づいています。 学校が好きで、お友達もたくさん出来たのですが、いかんせん日本の高校生は放課後も、土日の休日も部活が忙しくてプライベート・タイムを一緒に過ごすことが難しいと寂しそうに語っていたこともありましたが、先日、3年生に進級してクラス替えがあったものの、担任の先生も同じ、クラスメートも知っている人が多くて良かったと報告してくれました。 又、その際に7月22日に帰国することを伝えたら、クラスメートの生徒さん達が一斉に『帰らないで〜!』と言ってくれたらしく、とても嬉しかったと言っていました。 担任の福智先生のことも『先生じゃない。友達。』と言い、先日も5分間マッサージをしてもらった等、聞いていてハラハラするような事も口にしますが、敢えてそういう環境を作って頂いているのだろうと、 本当に有り難く、クラウジアは幸せだと改めて感謝の気持ちを強くしております。 ホストファミリーの打診があった時は迷いもあり、引き受けを承諾してからは更に不安も増して、落ち着かない日々を送っていましたが、今では引き受けて本当に良かったと逆に感謝しております。 異国の人たちに接することが出来たお陰で、言葉は通じなくても色んなことを学ぶことが出来ました。 国は違ってもメンタルは同じ。物事の判断、良し悪しも同じ。お互い の価値観も理解し合え、他人に対する思いやりも同じ等、全て我々にとって大切な経験となり、そして、貴重な数か月になりました。 時々、突然に、それも強制的にフランス語のレッスンが始まり、正しく発音出来るまで繰り返し言わされる時は『先生、ご勘弁を。』と思ってしまいますが。 クラウジアも我が家での滞在はあと一か月半となり、6月からは佐久間さんのお宅に移ります。そのお宅にはロータリー・クラブの交換留 学でフランスに行かれた栞さんがいらっしゃいますし、フランス語が 喋れるとクラウジアも楽しみにしています。 そして、4番目のお父さんとお母さんも出来ます。 残り少なくなった日本滞在ですが、クラウジアは『帰りたくな〜ィ!日本大好き!もっと日本に居た〜ィ!』と嬉しいことを言ってくれます。日本人はみんな優しいとよく口にします。 例えば、駅などで乗り継ぎや乗り場など分からない時など、誰に尋ねても親切に教えてくれるし、説明で分かりにくい時はその場所まで案内もしてくれるそうです。だから外に出て迷っても不安はないと言っています。フランスではそうはいかず、簡単に教えてくれるだけで、あとは自分で探してね。バイバイ!という感じだそうです。 そんな彼女に一つでも多くの思い出を作ってあげる為にも、会員の皆様方にお願いがあります。 どうぞ積極的に声を掛けて、彼女に思い出のお土産を作ってあげて 下さい。食いしん坊の彼女には食事でも誘ってあげて下さい。 正直な話、これまでに彼女が親しく接した会員の方は極一部の方だ けだと思います。そんな状況をもしかしたら寂しいと感じているかもしれません。 南西ロータリー・クラブで受け入れた留学生だという事を今一度ご認識頂き、クラウジアが帰国した折、フランスのロータリー・クラブの方々に良い報告が出来るように、残された時間の中での皆様のご協力を改めてお願いしたいと思います。 どうぞ宜しくお願い致します。 ご清聴ありがとうございました。 |